千年社ベトナム

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episode-10

ハノイで「高いびき」。
フットマッサージで爆睡。ストレス解消。

ハノイの在日本大使館の前バン・フック通り(Pho Van Phuc)を東にいくと、リエウ・ガイ通り(Duong Lieu Giai)と交差する。交差点を渡る。左に高級魚介料理店 ハイ・サン・フォーレストラン(Nha hang Hai San Pho)が見える。
進行方向に向かって、道路の右側をしばらく歩くとイラストの看板が目に飛び込んでくる。
デザイン表現がうまい。日本にもマッサージ店がたくさんあるが、こういったデザインの看板は、はじめてだ。ベトナムのデザイナーもかなりいける。

とてもユニーク。

中に入ると、片言の日本語でカウンター越しにベトナム人女性が声をかけてくる。フレンドリーで親切そうだ。日本人客、ベトナム人のお客様もいる。
階段をあがり、施術室に向かう。店内にいやな匂いが、まったくない。フットマッサージだから、しっかり清掃して、消臭をしていないと、とんでもない匂いを放つことになる。どのような消臭、どのような清掃をしているのだろう。とても気になる。

大きなリクライニングチェアが置いてある。昔の飛行機のファーストクラス?
部屋は薄暗い。キンキンに冷えている。暑い外からきているので心地よい。支給されるシルクのアンダーウェアを履き、裸になる。
腰と首の裏側に温かくした布袋を入れてくれる。おそらく、穀物が入っているのでは?
身体の表面は冷房で冷え、腰と首筋は温かい。血液循環がよくなる。
足を洗ってくれる。漢方薬の匂いがする。温かくて気持ちが良い。足の裏からマッサージがはじまる。

そのまま 10 分もしない間に爆睡。
ベトナム語で「お客さん終わりましたよ」といっているのだろう。
ベトナム人女性の声で目が覚める。むくっと向きあがって、目を開けると、施術している女性たちが、にこっとほほえんでいる。スタッフの女性同士が顔を見合わせながら私の方をみている。
「?」。わるい気はしない。
こんなことが三回ほど続いた。

日本に帰国したとき、友人に「マッサージが終わった後の女性たちの優しげなまなざしと仕草」を自慢げに話をした。しばらくすると話を聞いていた友人が、「わかった!」といい、にこっと笑った。
「いびき、いびきだよ」「いびきがうるさいのにびっくりしてあきれてるんですよ。」
マッサージがはじまり、10分も立たないうちに、気持ちよさそうにいびきをかいて、寝てしまう。
そして、声をかけると大きな身体がむくっと起き上がる。

「お客さん、そんなに気持ちがいいんですか?よく寝てましたね。安心しきって寝ている子供みたいですね。」マッサージの女性たちの言いたいことがやっと理解できた。
確かにいびきをかいて寝ていると思われる。自分で納得して大笑い。

あのまなざしにはまり、定期的に通っている。

施術が終わり、階下の受付カウンターに下りる。
部屋には、イラストのような告知がさり気なくしてある。

我々の経営方針
① お客様は神様
② 全心全力
③ より良いサービスをより安く
④ お客様のご意見に耳を傾ける
⑤ お客様の満足は我々の幸福
日本語に加え、ベトナム語、英語併記だ。オーナーは日本人だろうか。こうしたお店はトラブルも多いはずだ。近くには系列店もあるという。どんな教育をし、どんな運営をしてきたのだろう。あの商売っけのなさは、ベトナム人女性が持つ気立てのよさなのだろうか。

しばらくすると、お茶が出る。ごくごくと飲み、「Cam on」といって、店を後にする。外に出ると、あのハノイの暑さだ。

日本語だけはしっかり読めるように書きました。
しかし、どう考えてもハノイでの自分は神様にはなれそうもない。

久しぶりに尋ねたら、店はなかった。
近くに引っ越したらしい。

To Be Continued

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