千年社ベトナム

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episode-5

ハノイ ドンダー区 グエン ルオン バン 64 番地に「優曇華」の木が一本
きみはとても大切なことを教えてくれた

物件が決まった。
内装工事に入る前に、ご近所にご挨拶まわりをしたい。
どうしたらいいだろう、、、。

ベトナム語で「ありがとうカフェ」と「千年社ベトナムの業務内容」を掲載した案内を作り、日本のお菓子をセットにして、挨拶してまわってみた。
実際にやってみると、門扉のどこに呼び鈴があるかがよくわからない。
不在のご家庭もある。出てきてもらっても、シンチャウ(xin chao)しか言葉を知らない。
見ず知らずの外国人が立っていても、びっくりさせるだけだ。家の中に入り、ベトナム語のカタログを見てもらえばと思うが、広告やデザイン、ITの会社が自宅、近くにでき、一緒にカフェもオープンしている。ここまで理解してもらうには、時間がかかりすぎるような気がする。

もっと、心を開いてもらえる方法がないだろうか、、、。

カフェの正面、左側に大きな木がある。入居にあたって、オーナーご夫妻からは「この木は切らないでくださいね」と念をおされた。優曇華(うどんげ)という木らしい。
ベトナムでは、とても縁起が良く、幸運を呼ぶ木とされている。食材としても利用されている。お正月には神棚に捧げるという。
家を建てるときにも、おそらくこの木はあったはず。家族の思い出がいっぱい詰まっている木なのだろう。
実は写真のようなグリーンで、直径が 1cm~1.5 ㎝。このグリーンの実はベトナムでは、かなり有名らしい。
食べることもできる。熟すると紫色になる、ワインの色だ。
この木が曲者。葉が枯れ、落ちるし、実が落下して、ころころ転がる。熟した実は地面に、ボテッとへばり付いてしまう。気になってしょうがない。落葉に加え、ほこりも積もる。掃除をしよう!

箒を市場で買ってきた。さっそくはじめた。
ある日、掃除の途中で部屋の中に入り、もう一度、掃除をしようと外に出ると、「柄の長い箒」が道路の街路樹に立てかけてあるのではないか。「???」

ベトナムの大人の女性はとても奥ゆかしいところがある。時にシャイだったりする。箒を黙っておいてくれた。

箒を買ってきたものの「柄の短い箒」を買ってきてしまったため、使いにくくてしょうがいないと思っていた。
「??????」
誰かみている?見られている?「なぜ、柄の長い箒」が置いてあるんだろう。
「あなたね~、そんな大きな体して、柄の短い箒だと掃除しにくいでしょう?これ使ってみたら?」
深く深く考えた結果、このように思うことにした。

さっそく市場にいって、柄の長い箒を買ってきた。その後は、ハノイに行くたびに、カフェの前、裏口、道路、借りているお客様用の駐車場も清掃をすることにした。
はじめてみると、ご近所の人や歩いている人の見る目が変わっていくことが実感できる。
Good morning !と挨拶すると、笑顔で答えてくれる。とても気分がいい。
日本でも、会社によっては、朝、業務をスタートする前に清掃をしている会社をよく見かける。日本の千年社では、実施していなかった。

ハノイにやってきて、清掃がこれほどコミュニケーションのきっかけになるとは!
朝会うハノイの皆さんが、これほど心の窓を開いてくれるとは、思いもしなかった。
掃除をしている本人は、残念ながら好印象を得るには、ほど遠い体型と顔をしている。要するに「いかつい」。
しかも、ベトナム語が話せない。
だが、清掃をやればやるほど、挨拶してくれる人が少しづつ増えていく。

オーナーが絶対に切らないでと言っただけのことはある。感謝。

「柄の長い箒」の柄をしっかり握り、地面に力いっぱいゴシゴシとやる。
みるみるきれいになる。しばらくすると、汗が噴き出してくる。爽快だ。
優曇華の木に感謝。

To Be Continued

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