千年社ベトナム

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episode-6

あっ!こんなところにも!教会が根付いている街―ハノイ
「ありがとうカフェはイエスキリストが見守ってくれている?」

あけるべきか。そのままにするべきか。門扉の話である。
門扉があっては、どう考えても商売にならない。間口を広くとり、あけておくの客商売の常道だ。

写真を見てほしい。借りた物件の通りの家はすべて完全防備。日本の建売物件は最近では、門扉がない家もあるし、家の前に車を駐車する前提で設計するので門扉を作ることをあえてしない家もある。郵便のポストが立っているだけだ。

写真の門扉はまだ良い方だ。デザイン処理されている。街を散歩しているとリアルに完全防備を意図した門扉がたくさんある。

ありがとうカフェの 4 階のドア。二重になっていて鍵が四つもついている。

門扉を取り払ってしまって大丈夫だろうか?
常駐社員は、ここで寝泊まりをすることになる。もし、泥棒が表玄関から入るなら、、、、。
入られてしまったらどうやって逃げる、、、?
常駐社員は少々、不安な顔をしている。監視カメラをつけよう。非常ベルをつけたらどうだとうか。縄梯子も常備したい。ベットの枕元になにを置く。
物件は借りたものの、カフェのオープンに向けて準備がはじまると、様々な不安が付きまとう。

「近くに警察関係者の宿舎があり、とても安全な地域ですよ。住んでいる人達も昔からこの町で住んでいる人が多い。外国人のあなたたちにとっても生活しやすいエリアですよ。」
物件を紹介していただいたトゥアン(Tuan)ご夫妻は、こちらの不安を察して、安全な街であることを説明してくれる。確かに、トゥアン (Tuan) ご夫妻のお住まいの近くであることは心強い。でも、ご近所の防犯意識の高さに、ちょっぴり恐怖心がよぎる。

ある日、外食する機会があり、夜、物件に戻ってきた。まだ内装工事中だ。周囲は真っ暗、本当に静かな住宅街だ。タクシーから降り、ふと。道路はさんだ反対側にある住宅をみると、

「!!!」

イラストのイエスキリストが私の方向いている。道路挟んだ前の家は、近くにある教会で仕事をする若い人達の宿舎になっている。門扉の内側にイエスキリストを描いたタペストリーを飾っているのだろう。
屋内で電気を付けているので、その光に照らされて、外からみるとイエスキリストの顔が映って見える。
一瞬で、門扉を開けることを決めた。
門扉を取り払い、すっきりとしたお店が完成した。

宗教には無関心だったが、はじめて見たときは、さすがにドキッとした。そして、悩みがストンと落ちた。

今は、引っ越してしまい、カフェが開業している。

To Be Continued

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