episode-24
ハノイの夜と喧騒。
猛暑の中で、思い出した初KISSの味
「バインクオン」
ベトナムでとても有名な「蒸し春巻きの料理」だ。
はじめて食べたときのことが、いまだに、忘れられない。
クレープのように、米の汁をライスペーパーのように焼き上げる。
厚みはいろいろ。ざっくり折りたたんだものから、しっかり春巻きのように巻いたものまで、いろいろあるようだ。グーグル検索でたくさん出てくる。
店先で一枚一枚クレープのようなものを焼いていたので、何をやっているんだろう?と見ていたら、店に引き込まれてしまった。
夏、オートバイの喧騒、小さな店、工場にあるような扇風機。音がうるさい。
バインクオンを口の中に入れる。酢の味がする。もうひとつ。
食感が良い。舌に絡まったときの触感が絶妙。
箸で丸めてある生地を広げて、しげしげと見る。またひとつ、口の中へ。
食感がたまらない。舌に絡まったときがまた良い。
暑い。ぼーっとしている。扇風機が轟音を立てている。またひとつ。
「・・・・・・・・・・・・・・・!!!」
「WOW!」「はじめてキスした時のあの口の中の感触だ!」。
実感。そうだ!!!あの時の触感だ。
日本にはとても小さな店舗で、商品を絞り込み、商売をする「一坪ショップ」というビジネススタイルがある。歩行者の数が圧倒的に多い駅中、駅周辺。強大なビジネス街、夜の歓楽街、とにかく人通りが勝負となる。お客さんは、毎日、店の前を通る確率が高い。味と価格、満腹感と満足感、食べる時間と待ち時間。この3点にテーマを絞り、磨きに磨きをかけてきた。
代表的な店舗としては「立ち食いそば」。長く続いている業態である。日本人にとっては当たり前すぎて、ピンとこないが日本の隠れた名物・名所だといえる。
寿司、焼き鳥、天ぷらなど、日本を代表する料理は、すべて屋台の立ち食いから始まった。
「立ち食い・TACHIGUI」が観光客の間で流行語になるのも時間の問題だ。

さて、一枚一枚手作りではないが、おそらく大量に作ったこのバインクオンをハサミで切り、食べさせてくれるイラストのような朝食がある。口の中でバインクオンがペタペタと絡み付いてくる。独特な食感がある。朝7時ぐらいから路上でも販売している。ハノイの皆さんには定番の朝食なのだろう。
このバインクオンを日本の歩行者数の多い場所で、「一坪ショップ」で販売したらどうだろう。
若い働く女性に焦点を絞る。器、トレイ、箸などには、こだわりたい。朝通勤、昼ランチ、帰宅時、
小腹がすいたら…
つけ汁のベースは酢。さっぱり。夏バテ解消。ミントの葉、レモン、揚げた玉ネギ、とてもフルーティと言われている紅唐辛子。女性に受けそうな素材をたくさん使う。ベトナムハムのような練り物の旨味は、酢の旨味とも相性が良い。
衛生的で可愛いい、元気と満腹感!見せ方は多少、工夫がいるかもしれない。調理の時間が短く、早く食べることができる。とにかく、日本人はせっかちだ。
ベトナムの観光客誘致のため、日本でTVCMを出稿したらいくらぐらいかかるだろう。ベトナムの皆様の感覚だと天文的な数字になるはずだ。
一坪ショップを開業。バインクオンで、ベトナムを実感してもらう。あとは、ベトナムお得意のIT的な手法やキャンペーンでベトナムに観光に来てもらう。
「初KISSの味。ベトナムのバインクオン。思い出してみませんか。あの時のこと。」
この文章で一回は, お客さんとして、日本人はやってくる・・・?ポイントはアオザイ。ベトナム人留学生にユニフォームとして用意してあげれば、日本の男性諸君にも、受けること間違いない。

